くますいものがたり 7

フレンドリーコンサートそして初の町民文化祭の参加を終え、これからというとき、ある事件は起こりました。


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とある練習日。


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会館へ行くと、誰一人いない。


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しばらくするとテナーサックスの女の子が一人やってきた。


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…。


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そしてまたしばらくするとチューバの男の子がやってきた。


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…。


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そして、その後誰も来なかった。


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指揮者1名、テナーサックス1名、チューバ1名。計3名。


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誰一人、理由の報告も無く休んでいる。


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練習になりやしない。



でもテナーとチューバで意地で合わせた。



ある意味この3人の結束は固くなった出来事だった。




その後の練習で、このことが真剣なテーマで全体的に語られることは無かった。


笑い話にしかならなかった。



その後、笑い話でしかとらえられなかったメンバーは楽団を去っていくことになった。



だから、くますいの練習に出ることに対してのシビアさは崩れることはないだろう。



熊野という場所を選び、くますいというバンドを選んだメンバーの集まりであるという楽団の意識は今後も続く。




~つづく

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くますいものがたり 6

フレンドリーコンサートを終え、くますいの活動が本格始動。



しかし大きな行事が創団当初からあるわけでもなく次の目標をどうするかも悩みの種でした。しかし、そこへ間もなく熊野町総務課からお電話をいただきました。



「10月に熊野で海田地区交通安全ミュージックフェスティバルがあるのですが熊野町からはくますいさんに出ていただきたいのですが」



ん?本当にいいんですか?って状況です。まだ楽団が出来て間がない、しかもブランクが長いメンバーの集まり。まぁお声掛けいただくわけですし、創立時からの基本指針である熊野町のバンドであるという認識の上、即受けさせていただきました。



しかし、他町から音楽団体が集まってくるわけで、楽団出来たてでみんな久しぶりに楽器吹くんですなんて言い訳はできません。本当、コンクールやバンフェスのような全県のビッグイベントではないにしても熊野町の看板を背負って出演するわけです。みんな緊張しないわけありません。



今考えれば本当に基本的な楽曲ですが一音一音丁寧にさらって曲を追求したメンバーの真剣なまなざしは素晴らしいものでした。演奏はというと…。



しかし、他町の実力校も出演するイベントで同じように拍手をいただけたことは楽団創立間もない時点でよい経験になりました。



そして次なるイベントに目標を定めたのが、今も毎年参加させていただいている「町民文化祭」です。




このイベントは述べ4000人が来場される町内のビッグイベント。日ごろの文化活動の成果を町民の人たちが発表する場です。



出演するだけでなく文化祭の業務も応分に担当しなければならないのですが、積極的にメンバーは仕事をこなし、熊野町で育っていくバンドとして働いてくれました。文化祭終了後、最後まで残ってホールの清掃をみんながしてくれた光景は、熊野町行政の方々にも好印象を与え、行政との結びつきも強まった原点です。



あれから今年で町民文化祭へは12回目の出演となります。

あらたなくますいの音楽の方向性に加わったマーチング。町民文化祭に育てていただいた新たなくますいの披露がもうすぐです。



今後も熊野町の発展のために。




~つづく~



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くますいものがたり 5

1995年4月11日。

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ついにこの日がやってきました。メンバーは少ないもののいよいよ「熊野吹奏楽団」スタートです。

軽い発足式を相談役顧問の臨席をいただき、楽長・副楽長・各部長を選出し始動しました。

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この日、楽長を拝命し、新しい生活のスタート。楽しみな気持ち十分でしたが、その後様々な紆余曲折が待ち構えていました。

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最初に取り組んだ曲は、確かインスタント・コンサートでした。少人数、ブランクの長いメンバーということですからもちろん演奏の出来は良いものではありませんでした。しかし、この後練磨をしっかり行い、「日本一の努力をしよう」という言葉の元、必死に楽器と格闘したことが今でも思い出されます。(日本一の努力はまだまだしていないと思いますが、努力を惜しまないバンドになるようメンバーが心がけてきたと思います)

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そして、練習するにはやはり発表の場が欲しい。

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ということで、相談役顧問の先生に相談し、熊野高校吹奏楽部と共催で「フレンドリーコンサート」の開催を決定。行ったのは1995年8月6日。

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この年、広島は50回目のヒロシマを迎えた年でした。そして開催日は原爆の日。「平和・祈り・友情」をテーマに、世代を超えた友情のハーモニーを奏でようと決意したのでした。

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高校も人数が少なく、なかなか活動が行えていなく、合同で取り組みましたが、なかなか威張れる演奏ではなかったと思いますが、熊野町で吹奏楽の響きを世代を超えて、平和を祈り演奏したこのコンサートは誇らしいものであったと思います。

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このコンサートのメイン曲は、ネルソン作曲の「広島市民に捧ぐ曲~冬至の朝のためのアレルヤ」でした。1989年5月に東京佼成ウインドオーケストラが広島で初演した曲です。故・フレデリック=フェネル博士が1988年の同オーケストラの広島公演の際に、宿泊した広島厚生年金会館ホテルの一室に差し込む朝日の光に感動し、その思いをネルソンに伝え作曲された作品です。この初演を聴いた際に、「ヒロシマを考えさせる唯一の吹奏楽曲」として強い印象を持ち、このくますいの旗揚げコンサートで原爆の日に演奏することができた喜びは今も忘れません。

また、オープニングではスーザの「海を越える握手」を演奏し、世代を超え、地域で活動する者たちの友情を深めることができたことも同様です。

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演奏会に向けては、ブランクがあるものが集まった集団に、高校は初心者がほとんどという状況。音楽を作ると言うより、楽譜を理解していくという作業がほとんどだった記憶が強いですが、こうした何にもない状況からはじめた苦労や努力は今のくますいの活動の礎になっています。

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~つづく~

くますいものがたり 4

さて、練習日・練習会場はどうにかなりました。

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次に待ち受けていたものは「楽器」という問題。

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今でこそくますいは打楽器については充実した所有状況ですが、もちろん最初は楽団の楽器なんてありません。さしあたり、打楽器メンバーは高校生が2名。「何にもないから出番なしね」なんて言えません。

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くますいの場合は、運よく相談役顧問に迎えたのが熊野高校の先生。とりあえずスネアドラム・バスドラム・シンバルについては学校から借用するという協力が得られました。それにチューバも。

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かといって、楽器を保管する場所はないし、学校も使うわけです。ということは練習日の度に高校へ借りに行き、翌日には学校へ返却しなければならないということになりました。当時は何人か協力して学校へ行っていましたが、平日練習ですから基本的には比較的時間が取れる私が学校への借受・返却を担当。

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当時乗っていた車はスポーツタイプの車だったため車内容積が狭く大変でした。バスドラム本体にスタンド、スネア、シンバル。これだけで大変なのにさらにチューバまで。今考えるとゾッとします。

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そして楽器の問題をなんとかクリアし1995年4月11日を迎えました。

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~つづく~

くますいものがたり 3

「熊野吹奏楽団」。

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シンプルでいい響き。当時カタカナの団体が増加傾向にあるなか、地域名+吹奏楽団というバンドはそう多くありませんでした。

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さて、2月に手続きを終え、4月までの間。今度は何をしたかというと、楽団の方針そして運営体制の決定です。

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まず、くますいは「地域のバンド」であること。自分たちの楽しみではなく、地域のために活動することで自分たちの趣味を活かすということを土台にしました。自分たちを追えば、自滅する。自分たちを楽しむことは大切ですが、人の集まり=色々な個性が集まるわけですから、違う方向で問題が発生しやすい。とにかく、演奏を聴いてもらい、その拍手をいただくことが喜びであるということを念頭に置きました。

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もちろん、ブランクがある人の集まりになりますから、技術的に向上するには何年もかかることは当然予想しています。だから、まず「心」を作っていく。目的意識をしっかり持ち、楽団の組織をつくっていく。

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創設当初の指針は「業より心」でした。

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そして、具体的な中身の構築をしていかなければなりません。練習日、運営体制。

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毎週1回、土曜日の18時30分~21時30分。

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運営は最初は人数が少ないので、楽長・副楽長の最高幹部に、事業・広報・財務という3つの担当部長を置き、楽員はみんなその部にそれぞれどれか所属し運営を担っていく。

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人数が少ないが為に全員運営参加

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これがくますいの組織作りのスタートでした。

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~つづく~

プロフィール

がくちょう

Author:がくちょう
広島県熊野町に活動拠点を置く市民吹奏楽団「熊野吹奏楽団」の音楽監督兼楽長。

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