
活字
芸術の秋、食欲の秋、読書の秋…。
秋という季節はなんでも言葉が当てはまります。私の場合、多忙の秋…。
秋になると無性に本を読みたくなったりします。秋の夜長、というわけではなく夜に本を読んだりはほとんどしません。仕事の合間や、昼飯のとき、時間がただ空いたとき…。
読むジャンルは色々です。政治、心理学、自己啓発、ビジネス、戯曲、マンガ(と言っても来週からドラマがスタートする「のだめ」だけですが…)、車のカタログetc。
こうみえても自分、中高生のころは全くの読書嫌い。活字を読むといったら雑誌と新聞くらい。新聞は小学生の頃から愛読しています(^▽^;)
最近は戯曲も面白く読みます。シェイクスピア、ジロドゥ、アヌイ、ゲーテetc。
中でもジロドゥの『オンディーヌ』は面白い。水の精・オンディーヌと騎士・ハンスの物語。いわゆる人魚姫と同様なストーリですが、俗に言う純愛物です。演劇公演のプログラムに面白いものを見つけました。この『オンディーヌ』と『冬ソナ』の科白に共通している点がたくさんあるとのこと。
その一つ。
◆オンディーヌ
「地上には美しい花々が咲き乱れているのに、人間たちってそれには目もくれずに、裏切りや疑いや嘘のはびこる世界に住み着く」
◆冬ソナ
「世界はこんなに暖かくて美しいのに、ユジンさんは何を見ていた?過去の思い出しか見ていない」
こう照らし合わせてみると面白い。そっくりだ。でもこれは盗作ではない…でしょう。おそらく。オンディーヌは著作権も切れているでしょうし。
ってそんなことはどうでも良い。ジロドゥの時代の純愛も、冬ソナなどに代表される韓国の純愛精神も時代が過ぎてもなんら変わっていないということなのかと思います。まぁ、日本の世界はいま韓国ほどの純すぎるほどの感覚はないかも知れませんが、こういった美しい世界が残る世の中であって欲しいとも思いました。
この『オンディーヌ』の科白は愛のことだけでなく人間の本質をも表現している優れたものだと思います。いろんな苦境もありますが、この言葉を頭の片隅において人生を精進せねばとあらためて思いました。
『オンディーヌ』のラストはまたすばらしい。これは本を読まないとわからないですが…。公演があればぜひ見て欲しい演目です。
★オンディーヌラスト
(オンディーヌ)「ちょっと、待って。このきれいな人、だれなの?」
(水界の王)「ハンスっていうんだ」
(オンディーヌ)「まぁ、いい名前。この人動かないけど、どうしたの?」
(水界の王)「死んでいるんだ」
(オンディーヌ)「この人、私好きだわ。生き返らせてやれないの?」
(水界の王)「駄目だ」
(オンディーヌ)「残念だわ。生きてたら、私きっと好きになったでしょうに」
この結末への流れを知りたい人は、ぜひ本を読んでみたらいかがでしょう。
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では。
がくちょう
